2021年1月25日(月)
不安神経症には、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、社交不安症などの不安障害があります。
これら不安障害は、神経質性格に根ざしていることもあり、治療には一定の時間がかかります。
しばらく治療を続けているうちに、多少症状が軽くなり、不安がある生活に慣れていきます。
このような生活を続けていると、治療目標を見失い、治っているのか治っていないのかわからなくなってしまうことがあります。
不安神経症が治るとはどのようなことでしょうか?不安神経症が治るとは、自分が心配している不安はそんなに大した問題ではないということに気がつくことです。
不安は現実離れした錯覚です。何かが原因で不安を感じる体内センサーが過剰反応し、不安の自己暗示が起きています。
この体内センサーは脳内の扁桃体(へんとうたい)にあります。扁桃体にあるセンサーが過敏になると、不安になる必要のないことまで、不安だと思い込んでしまうのです(不安による自己暗示)。
その思い込みに気がつくと大した問題ではないと心の底から思えるのです。まさに目から鱗です。
不安神経症を治すためには、過度に不安になる自分(不安による自己暗示)に気づき、そこから解放されることです。これが治療の最終目標です。
この目標を達成するためには、まず主治医にどのような状況でどう不安になるのか?不安を詳しく説明し受け止めてもらうこと、また不安になった時に不安をどう認識しどう行動していくのか?対処法についてしっかりとしたアドバイスを受けることが大切です。
このような治療を積み重ねていけば、不安神経症を克服することが可能となるのです。
芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋 道宏