2021年5月10日(月)
適応障害、うつ病で会社を長期に休んでいる方が多くおられます。適応障害もうつ病も同じようにうつ状態になりますが、適応障害とうつ病はどう違うのでしょうか?
適応障害もうつ病もうつ状態になりますが、適応障害のうつ状態はうつ病ほど重くありません。適応障害はまだうつ病にはなってはいないが、将来うつ病になり得る状態ということができます。
適応障害の大きな特徴は、明らかなストレスが症状の原因になっているということです。多くのうつ病もストレスが原因となっていますが、それだけで説明がつかないうつ病があります。原因不明のうつ病です。
ですから、適応障害の治療は、ストレスによって受けた心身の疲れをどのように癒すかが焦点となります。
適応障害の治療では、うつ病と同じように初期は休息が大切です。ストレスから離れて休んでいると、うつ病よりは早く改善していきます。復職にあたっては、何が適応障害を引き起こしたのか?原因を探り当て、それに対する対応が必要となります。
適応障害は発病してから6カ月間しか使えない病名であることが精神科の診断学で決まっています。6ヶ月経った後はうつ病と診断される可能性があります。
うつ病に発展する前に、適応障害を治療し、将来に大きな禍根を残さないようにすることが大切だと思います。
高橋心療クリニック
高橋道宏