2021年8月30日(月)
前回ブログ(うつ病治療の基本とは?2021年8月23日(月))では、規則正しい生活を送るという単純なことに、うつ病改善の秘訣が隠されていることをお伝えしました。
では、規則正しい生活とは、具体的にどのようなことなのでしょうか?
規則正しい生活とは、規則正しい睡眠、食生活、運動です。
なかでも、規則正しい睡眠はうつ病治療にとって欠くことのできないものです。
毎日大体同じ時間に寝て、大体同じ時間に起きることで、うつ病で調子が悪くなりやすい自律神経が整っていきます。
夜はできるだけ0時までには寝るようにしましょう。また、朝は遅くても8時までには起きるようにしましょう。
理想的には、成長ホルモンが分泌され22:00-2:00頃は寝ていた方が良いです。成長期の子供だけでなく、大人もこのような生活リズムを保つことで、うつは改善に向かいます。
食生活では、きちんと3食できるだけ同じ時間帯に食べるようにしましょう。食生活は単に栄養補給のためだけにあるのではありません。食事をすることで、体温が上がり自律神経が整います。
食欲がない時でも、ほんのわずかでも良いから食事を摂っていただきたいです。わずかな量の食事でも規則正しく摂ることで、健康な食欲がよみがえります。
激しい運動は不要ですが、1日6000歩から8000歩程度の歩行を保つように心がけましょう。うつ症の重症度にもよりますが、歩数が著しく少ない場合は、少しずつ散歩をしてみるようにしましょう。
上記のような行動は当たり前のことかもしれませんが、このような単純な当たり前のことがうつ病の時はうまくいっていません。
規則正しい生活は実にシンプルです。しかしこのシンプルなことを確実に実行する事は簡単なことではありません。
ただ頭の中で考えているのではなく、一歩でも良いから前に踏み出すことがうつ病を克服することにつながるのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏