不安障害?うつ病?どちらの診断が正しい?

2022年3月7日(月)

病歴が長く、複数の医療機関にかかったことのある方は、これまでに不安障害、うつ病など複数の病名の診断がされていることがあります。ある時には不安障害、別の時にはうつ病と診断されると混乱します。これは誤診だったのでしょうか?どちらの診断が正しいのでしょうか?

精神疾患では、複数の病名が共存することがあります。これを併存疾患と言います。ですから、どちらが正しいかと突きつめるのではなく、複数の病名がどう関係しているのか?どちらの病名がより日常生活に大きな影響を与えているのか?を知ることが問題解決につながります。

たとえば、不安障害とうつ病の2つの病名がある場合は、不安障害が元々あり、後からうつ病に発展ケースがほとんどです。不安は想像以上に多くの精神的エネルギーを消費します。どんどん精神的エネルギーを消費するうちにうつ病に発展します。

このような場合は、まず生活を立て直すためにうつ病の治療を優先しますが、うつ病が治ってから不安障害を治療しないと、うつ病再発の可能性が高まります。このように2つの併存疾患の関係を検討しながら、問題解決を図ることが大切です。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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