ADHDとマルチタスク

2022年4月18日 月曜日

ADHD(注意欠如多動性障害)の方は、マルチタスク、すなわち複数の仕事、課題を同時並行で進めていくことが苦手です。

マルチタスクは、複数の仕事の全体像を把握しながら行う必要があり、ペース配分が大切です。

ところがADHDの方は、自分が興味のある1つのことに過集中し、気持ちを切り替えにくい傾向があります。物事へのこだわりが強く、マルチタスクが苦手なのです。

ADHDの方がマルチタスクを続けると、ミスが多くなり、どうしたら良いかわからなくなってしまいます。

また無理がたたるとストレスが蓄積し、業務が非効率になるだけでなく、メンタルにも悪影響があります。

大人のADHDでうつ病、適応障害を併発しやすいのはこのような理由によるのです。

ADHDでは、マルチタスクを避けた方が無難ですが、避けられないマルチタスクに取り組むためには、どうしたら良いでしょうか?

ADHDの方は、個々のタスクの全体像が見えにくくなっています。

マルチタスクを行うためには、個々のタスクで行うべき行動を書き出してみてはどうでしょうか?行動の詳細を
1つずつ細分化しシングルタスク化するのです。

このような方法を使うと、マルチタスクがシングルタスクように見えてきて、取り組みやすくなります。

ADHDの方がマルチタスクに取り組む時は、タスクを分解し、シングルタスク化することからはじめましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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