2022年10月3日(月)
うつ病で休職する方が多くおられます。通院と自宅療養で症状は自然に回復していきますが、職場復帰のタイミングはどのように考えたら良いのでしょうか?
また、復職するときは、どのようなことに気をつけたら良いでしょうか?
多くの方は、症状が回復すると早く復職しなければと焦ります。体調の回復が不十分なうちに復職しようとするのです。
復職するに当たり、復職後は自宅療養とは異なる環境であることを考慮する必要があります。
多くの企業では、再休職を防ぐために、復職プログラムが設けられています。
復職したらいきなりフル勤務をするのではなく、当初は勤務時間を制限します。
復職後の体調をみながら、徐々に勤務時間を増やすようにするのです(段階的複勝)。
当院でお勧めする復職プログラムは次のようなものです。
復職当初の1週間は、午前中のみ勤務する。2週目から勤務時間を段階的に増やす。1ヶ月後には通常勤務とする。
このプログラムは多くの方が実行し、スムーズな復職が可能でした。
うつ病の復職は、異動、残業制限など再休職を防ぐためのさまざまな工夫が必要です。具体的にはご自身の勤務する職場の復職プログラムを確認して下さい。
うつ病になる方は勤勉な方が多くあわてて復職前の状態に戻ろうとします。しかし、あわてると再休職のリスクがあることに注意しましょう。
焦っているうちは復職は時期尚早です。まだ機が熟していないのです。
心に余裕が出てくれば、自然にまた働きたいという気持ちになります。この時こそ復職を検討するタイミングなのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏