2022年11月21日(月)
うつ病は休養と服薬により、回復に向かいます。特に気分落ち込みなど精神的な症状はすみやかに回復します。
ところがだるさ、疲れやすさなど身体症状の回復には時間がかかります。精神症状だけ回復しても、身体症状が回復しなければ社会復帰することはできません。
身体症状の回復にはリハビリが必要です。身体症状は服薬と休養だけでは十分に回復しません。体を少しずつ動かし機能を回復する必要があるのです。
うつ病のリハビリは、少しずつやっていきましょう。イメージとしては、ゆっくりと階段を上っていく感じです。一段上り余裕が出たらまた一段昇るのです。
うつ病の方は起床困難のため、昼頃まで寝てしまうことが良くあります。そのような状態にある方がいきなり7時に起きることはできません。
最初は起床時間が10時までなどという達成可能な目標を設定して下さい。その時間に無理なく起きれるようになるまで次の目標は立てないようにしましょう。
無理をして起きている間は、まだ起床時間の目標を早くしてはいけません。その時間が無理なく達成でき、余裕ができたら、起床時間の目標をもっと早くするのです。
このような方法でリハビリを進めると、時間がかかっても着実に進んでいきます。
このリハビリのやり方は、起床時間だけでなく、仕事、家事など回復が必要な全ての活動に有効です。焦らす着実にリハビリを続けましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏