2023年10月16日(月)
うつ病の治療は、適切な休息と抗うつ薬による薬物療法を通じてエネルギーを回復させることが中心です。
治療初期の段階では充分な休養が不可欠ですが、長期間の休養は体力の低下につながることがあります。回復の兆しを感じたら、意識的に身体を動かすことが重要です。
うつ病は、精神的な症状に加えて、倦怠感や疲労感などの身体的な症状も伴います。
精神的な面が回復しても、身体的な回復が遅れることが多く、精神的な回復が進んだら、積極的に身体を動かすことが回復を促進します。
ただし、体を動かすタイミングには慎重さが必要です。症状が安定しないまま無理に運動を始めると、体調を崩すおそれがあります。
気分が安定し、睡眠時間が確保できるようになってから、身体を動かすことを検討しましょう。
集中力が戻り、疲労が和らぎ、身体を動かしたくなってきたタイミングで始めるのが適切です。
身体を動かす際は、段階的なアプローチを取りましょう。急激な負荷をかけず、徐々に身体を動かす時間を増やすことが大切です。
うつ病のリハビリテーションは、個別のニーズに合わせたアプローチが必要であり、専門的な指導と配慮が欠かせません。特に、軽作業などの再開タイミングは慎重に考えましょう。
主治医と相談し、段階的なアプローチをとりましょう。必要であればリワークデイケアなどのサポート体制を活用することが成功への鍵です。
ご自身の状況に合わせた計画を策定し、ゆっくりと回復を目指しましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏