双極性障害:感情の波に打ち勝つ方法

2023年11月6日(月)

最近、双極性障害という言葉が一般的になりましたが、気分障害の一つであるそううつ病は感情と行動を自己コントロールするのが難しい病気です。

そう状態の期間は、元気で自信に満ち、自制が効かなくなります。

夜中に活動したり、無駄遣いをしてしまったりと、行動を制御することが難しくなります。自信満々になり、怒りっぽくなり、他人とトラブルが起きることもあります。

その一方、うつ状態の期間は何もする気がせず、入浴、着替えなどちょっとしたことが面倒に感じます。

この相反する2つの状態を交互に経験するため、感情と行動を自力でコントロールするのは難しいです。そのため、双極性障害の場合、気分安定剤と呼ばれる薬の支援が必要です。

気分安定剤は感情の波を穏やかにします。ただし、薬を服用するだけでなく、過度な行動を避けたり、無理をしないことも重要です。

感情の波に対抗するために、特にそう状態でエネルギッシュな時期の過ごし方が鍵だと思います。

そう状態では何でもできる気持ちになり、行動が活発になりますが、体力には限界があります。体力を使い果たすと、急速にうつ病に陥るのです。

そう状態の時に適切に対処すれば、体力を無駄に使わず、その後訪れるうつ状態を予防できます。

そのためには、自分のやりたいことではなく、自分にとって必要なことを優先して行動する心構えが大切です。

その時の感情に振り回される気分本位の生活から抜け出すことが必要です。

気分本位の生活を改めると、気分の波が減り、これに打ち勝つことができるのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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