2024年8月12日
うつ病は現代社会で多くの人が直面し、対応に苦慮しています。治療の基本には休養と薬物療法があり、症状の緩和と回復に役立ちます。
しかし、うつ病は再発の多い病気です。うつ病の再発を防ぐためには、症状が回復してからも6ヶ月間程度の薬物療法を続けることと同時に、内面的な力を育てることが重要です。特にレジリエンス(精神的な回復力)を高めることが、再発を防ぐための鍵となります。
レジリエンスとは、困難やストレスに対する耐性や回復力を指し、逆境から立ち上がる力を意味します。うつ病が再発しやすいのは、レジリエンスの回復が不十分だからです。
薬物療法は症状を緩和し、完治させますが、レジリエンスを強化することで、困難に直面したときに自分の力で乗り越えることができるようになります。これにより、うつ病の再発率を低下させ、長期的にメンタルを安定させることができます。症状の回復だけでなく、レジリエンスを完全に回復させることが大切です。
レジリエンスを高めるためには、まず健康的な生活習慣を確立することが重要です。十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけることで、身体と心の健康を保ち、レジリエンスを高めることができます。
寝る前のスマホ利用を控え、アルコールの摂りすぎに注意することで、心の回復が促されます。定期的な運動も効果的です。運動はエンドルフィンの分泌を促し、気分を高めるため、うつ病治療においても有効です。
また、定期的に通院し、主治医との信頼関係を深めることも大切です。主治医とのつながりを感じることで、不安が解消され、自己肯定感が高まり、前向きな気持ちを取り戻すことができます。
治療過程でレジリエンスを高めることで、病気になる前よりも回復力が高まり、より健康になるケースも多く見られます。
レジリエンスを高めることで体調不良を起こしにくくなり、ストレスや環境の変化にビクビクせず、自分らしく生きることができるようになります。
レジリエンスの回復には時間がかかります。一歩一歩前進しながら、レジリエンスを回復していくことが大切です。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏