考えないようにするほど、不安は強くなっていきます

考えないようにするほど、不安は強くなっていきます

2026年2月2日(月)

診察室で不安障害の方と話していると、よく聞く言葉があります。

「なるべく考えないようにしているんですが、かえって不安になります」
「気のせいだと思おうとしても、体の違和感が強くなります」

不安を感じるたびに、
考えてはいけない、
気にしなければ大丈夫なはずだ、
そうやって頭の中で処理しようとする。

ところが、不安障害では、このやり方がうまくいかないことが多いのです。

不安は、頭の中だけで起きているわけではありません。

不安障害は「考えすぎ」「気にしすぎ」と言われがちです。
考え方が関係している面もあります。

ただ、この病気のつらさは、
不安が身体の反応として現れてくるところにあります。

不安を感じる。
身体が反応する。
その感覚が気になり、さらに不安が強くなる。

この流れに入ると、
考えないようにしても、身体の反応までは止まりません。

考えないようにするほど、不安の原因を考え続けてしまいます。

不安になったとき、
考えないようにしよう、
気のせいだと思おう、
そう強く意識すると、かえって考え続けてしまいます。

身体は緊張したままです。
動悸や息苦しさも残ります。

やはりおかしいのではないか、
もっと注意しなければならない、
このようにして不安は続いていきます。

不安を消そうとしすぎない

不安障害では、
不安を消そうとするほど、身体は緊張します。

「不安がある」
それを事実として受け止めたまま、
今やっていることに戻る。

追い払おうとしない。
無理に整えようともしない。

不安が強いと、
この状態では何もできない、
そう感じてしまいます。

不安があっても、
家事をする。
仕事に手をつける。
外に出る。

不安が消えてから動くのではありません。
不安があるまま、できることを続ける。

その中で、不安へのとらわれから解放されるのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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