気分が乗らなくても、まず行動することから始めてみる
2026年2月9日(月)
診察室で、不安が強い方と話していると、よく耳にする言葉があります。
「やる気が出てから動こうと思っているんですが……」
「気分が乗らないので、何も手につきません」
不安が強くなると、気分はなかなか乗ってきません。
やる気は、自然に湧いてきません。
それでも多くの方は、
「気分が上向いたら動こう」
「前向きになってから始めよう」
と考えます。
しかし、このように考えるほど、心は重くなり、時間だけが過ぎていきます。
この状態を、気分本位と呼びます。
不安があってもよいのです。
気分がスッキリしていなくても大丈夫です。
大切なのは、気分が乗らなくても、まず行動から始めることです。
顔を洗う。
服を着替える。
机に向かう。
洗濯物を片づける。
気分がどうであれ、まず行動することから始める。
目の前のやるべきことに、淡々と手を出していく。
こうした、まず行動から始める生活を続けていくあり方を、物事本位と呼びます。
不安が強くなると、「これでは何もできない」と感じてしまいます。
しかし実際には、不安が強くても、気分がスッキリしなくても、できることは必ずあります。
不安がなくなってから動くのではありません。
動いているうちに、気分が後からついてくるのです。
「心が先、行動が後」ではなく、「まず行動が先」です。
すると不安は軽くなり、心は後から回復していきます。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏


