薬によらない治療
森田療法について
高橋医師は、森田療法の創始者である森田正馬医師の孫弟子にあたる青木薫久医師から森田療法の指導を受けました。青木医師は、森田療法を更に深化、発展させ、現代病と言われるうつ病などの治療にも応用している先駆的な精神科医です。高橋医師は、青木医師の影響を強く受け、森田療法を治療に生かすことを心がけています。
森田療法による治療を希望される方は、高橋医師にご相談ください。
森田療法とは
森田療法は、森田正馬医師により1919年頃にはじめられた精神療法です。日本人により開発された日本人のための精神療法で、日本人の心の特徴に合った治療法であることが特徴です。
精神療法には、この他にも数々のすぐれた治療法がありますが、それらの多くは海外で開発されたものです。
森田療法の基本 ~「あるがまま」に受け入れる
森田療法では、つらい症状を「あるがまま」に受け入れることを基本とします。
つらい症状があると、症状にこころを奪われ、「とらわれ」が生じます。「とらわれ」が始まると日常生活が後退し、更に症状にとらわれ、苦痛が大きくなる悪循環により症状が悪化します。
森田療法では、このような症状への「とらわれ」から解放されるためには、症状を「あるがまま」に受け入れ、日常生活は後退しないようにしていくことが近道であると説きます。「あるがまま」の生活態度の中で症状へのとらわれから徐々に解放されていくのです。
森田療法が有効な症状
森田療法は、特に神経症の治療に有効です。
神経症は、ささいなことが気になる神経症的性格の方に多く、過度のストレスが加わり不安、緊張、強迫などの症状が生じるようになります。このような症状にとらわれると、いつも症状が気になり、日常生活に影響が出るようになります。
薬物療法は、不安、緊張、強迫などの症状を軽減しますが、神経症的性格を変えるものではありませんので、薬物療法だけで神経症を克服することは困難です。森田療法は、神経症における症状へのとらわれからの解放と神経症的性格の克服のための治療法であると言えます。
また、神経症的性格の方は、「物事にきちんと取り組む」「生真面目」といった長所もあります。森田療法は、神経症的性格を否定することなく、このような長所を更に生かしていくことを目標としています。
森田療法関係の参考図書
- 「なんでも気になる心配症をなおす本―よくわかる森田療法・森田理論」青木薫久 ベストセラーズ (ワニのNEW新書)
- 「森田理論応用〈2〉心臓と神経が強く太くなる本」青木薫久 批評社
- 「森田理論・応用―ノイローゼ・心身症・そううつ病」青木薫久 批評社
- 「神経質の本態と療法 精神生活の開眼」森田正馬 白揚社 河合博解説
- 「生の欲望 神経質を生かす人間学」森田正馬 白揚社 水谷啓二編