1月26日 月曜日
私達は、家族、友人、同僚などに囲まれて生活していますが、無意識のうちにも周囲の人にある程度信頼感を持って生活しています。しかし、時には相手に過度に期待し、必要以上の信頼感を求めていまうこともあります。特に心を病んでいると心細くなるため、そのような傾向が助長されてしてしまいます。相手の些細な態度に失望し、必要以上に怒ってしまう。相手が自分の思ったように反応してくれなかったり、行動しないと途端に人間不信に陥ってしまう。「人間なんて信用できない!」と短絡的に思ってしまったりします。
私達は無意識のうちにが周囲の人を信頼しています。「こんなことを頼んだら、これくらいはしてくれるだろう。」などと無意識のうちに考え、予想通りにしてくれるとその人を信頼します。そのようなことの繰り返しで信頼感が育っていきます。心理学では、幼少時の親との人間関係のあり方がその人の人間への信頼感の基礎になると言っています。もし人に対する信頼が乏しければ人間関係を長期的に維持することは困難です。遅かれ早かれ人間関係は破綻してしまいます。ですから人を信頼することは人間関係の基本と言えます。
しかし、時に過剰なまでの信頼感を求めてしまうことがあります。特に心が弱っている時にはそうなります。些細なことで人が信頼できないと短絡的に思う時は、かえって人を信頼したい欲求が強い時でもあります。簡単に「人を信頼できない。」と極端に思う時は、本当は「人を信頼したい。」「自分のことを認めてもらいたい。」時でもあります。しかし、過剰なまでの信頼欲求があると、相手の些細な態度に 失望し自分の感情が不安定になります。「信頼したいのに信頼できない。」アンビバレント(両価性)な不安定な気持ちを引き起こします。
人間には限界があり、どんな立派に見える人でも不完全です。人間としての限界を持ちながらも互いにいたわり合い、支え合い、私達の社会が成り立っているのです。人に過度の信頼感を求めることは無理があります。人は神様ではないのです。自分の望み通りの行動をしてくれないからといって、失望する必要はありません。「人の限界を自然に受け入れ、適度に信頼する。」こんなバランス感覚があると人との付き合いが楽になります。過度に相手に求め過ぎて失望することはなく、また反対に孤独になることもありません。人の限界を受け容れ、過度な人間信頼欲求から解放されることが心の安定を保つために役立つと思います。