9月15日 月曜日
クリニックのある芦屋では、ペットを飼っている方が多く、家の近くを散歩していると犬を連れて歩いている方を良く多くみかけます。
この写真は、往診先の老人ホームで飼っている犬です。この犬は、老人の人気者ですが、たまにしか行かない私にも挨拶しに来てくれます。
診察室でも患者さんからペットについての話しを聞くことが多く、ペットの持つ癒しの力を感じています。
以前私の診察を受けていたアルツハイマー型認知症とうつ病の高齢女性は、トイプードルを飼ったことでみるみる元気になりました。
これとは反対に、ネコが亡くなり、うつが悪化した女性の方もいます。このネコは15才で亡くなったのですが、その後彼女のうつが悪化して、回復にかなり時間がかかりました。家族にも病気のことを十分にわかってもらえず孤独な時に、このネコはずっと彼女に寄り添い、見守ってくれていたのです。彼女は、このネコにどれだけ助けられたかわかりません。ですから、ネコが亡くなった後うつが長く続いてしまったのです。
ペットはなぜ心を病んだ方の癒しになるのでしょうか?
ペットに愛情を与えたり、逆にペットから甘えられたりする、ペットとの感情の触れ合いが癒しにつながります。
人間とは違い、気を遣わないで済む。ペットは人間を批判しません。私たちをそのままを受け入れてくれるのです。私たちの過去を云々することはなく、私たちに指示を与えることもありません。
また、先程のネコのように、孤独感を和らげてくれます。
研究によると、ペットには、血圧、心拍の低下、リラックス効果があるそうです。
ずっと前になりますが、ソニーが発売していたAIBO(アイボ)という子犬型のペットロボットがありました。当日は大変話題になったのですが、いつの間にか消えてしまいました。
このロボット、製品としては大変良くできていたようですが、ロボットには生きた心の交流はありませんから、犬にはかなわなかったのでしょう。
人間は、温かみを求めるし、それが癒しになるのです。
薬だけだけでなく、時にはペットに助けられて、心の健康を回復し、維持していきたいものです。
この写真は、我が家の犬二匹です。あまり意識していませんが、この犬も知らず知らずのうちに私の癒しになっているのかもしれません。