2016年1月4日
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
こころの病気はストレスによる不安やイライラなどマイナスの感情がコントロールできなくなり発病することが少なくありません。いったん発病すると回復までに時間がかかるため、予防がとても大切です。最近では、企業にストレスチェックが義務付けられるなど、ストレスを早期に発見し、こころの病気を予防することが社会的に広く認知されるようになりました。しかしながら、このようなストレスの早期発見だけでなく、ストレスに対する抵抗力をどう高めていくかもまた重要な課題です。
内科の病気だと、糖尿病や高血圧は生活習慣病で、食生活、運動など日常生活の改善で発病を予防することができます。こころの病気も同様です。うつ病や不安障害なども日常生活の行動パターンや考え方を改善することで予防することが可能です。ストレスに対する抵抗力を高めるためには、こころの病気を引き寄せてしまう物の考え方や行動パターンを改善することが有用です。
ストレスとそれに伴う不安、イライラなどのマイナス感情は、こころを疲れさせ、精神的な活力を奪います。その結果、普段果たしている責任を果たせなくなる、自分でできることまでも他人に頼ってしまう依存的な生活態度が生まれます。この依存的態度が更に不安やイライラを悪化させてしまう悪循環がはじまります。このような悪循環を繰り返し、自分で気持ちがコントロールできなくなると、一日中症状のことばかり考え、仕事、勉強、家事などが手につかなくなります。
このような悪循環に陥りやすい人は、行動が気分に左右されやすく、自分でできることを他人に頼りやすい傾向があります。ですから、不安やイライラがあってもすべき事はきちんとする、自分でできる事はできるだけ自分でやるという生活態度が大切です。普段から感情や気分に左右されず、必要なことは一定のペースでするようにする、感情の波があってもできるだけ気分に流されずに同じペースで行動する生活を心がけましょう。気分が乗らない時でも、一定のペースで行動すると、ストレスがかかった時に自分を支える力が強くなり、行動が後退することなく、悪循環に陥りにくくなります。気分に流されず行動できるよう日頃から心がけるとこころの病気の予防に役立つと思います。
院長 高橋道宏