うつ病のときの過ごし方

2016年1月18日

うつ病は、「適切な薬を飲むこと」と「休養すること」で症状が改善していく病気です。その意味では原則受け身の治療態度で良く、あせらず症状が良くなるのを待つことが回復への近道です。このような治療原則は、日本であっても海外であっても同様で、国内外で大きく異なることはありません。うつ病の治療方法は確立されており、きちんとした治療を受ければ必ず良くなる病気です。

休養することについては、「どのように生活したら良いか?」との質問を良く受けます。何もしないのが良いのか?それとも少し無理してでも家事や散歩をした方が良いのか?という質問です。休養すると言っても、休養期間が長期になるとどう過ごしたら良いか分かりにくいところがあります。

うつ病の時は、無理をしないことが基本です。無理をすることでうつが悪化したり、身体のだるさや疲れやすさが悪化するなど体調が悪くなるからです。薬を飲みながら、必要ならば仕事、勉強、家事などを休み、症状の回復を優先することが先決です。症状が毎日のようにあり、その苦痛が日常生活の妨げになっている状態では休養を優先しなければなりません。

しかしながら、ある程度症状が改善した段階では、少しづつ身体を動かすことも大切です。ある程度良くなってくると、あまり深い気分の落ち込みは感じなくなります。どちらかというと、疲れやすい、だるいなど、身体の症状が目立つようになります。この状態は比較的長く続くことが多く、服薬と休養だけでは急速に回復しにくい症状です。このような状態を改善するためには、多少つらくても、徐々に身体を動かしていくことです。

うつ病の治療は、薬と日常生活の過ごし方がかみ合うと順調に改善していきます。治療方法はすでに確立されており、薬と休養で良くなった方は多くおられます。うつ病は恐るるに足らずです。主治医に生活指導を受け、それを実行し、回復をご自身のものとして下さい。

院長 高橋道宏

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