ストレスとの付き合い方

2016年4月11日 月曜日 曇り

ストレスはうつ病や不安障害など心の病気を引き起こす原因になります。過食や拒食などの摂食障害、不眠症もストレスによって起こります。下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群、気管支喘息など身体の病気の原因ともなります。高血圧や糖尿病などの慢性疾患もストレスと関係があることが知られています。こころの病気も身体の病気も多くのものがストレスと関係がありますから、普段からストレスとの付き合い方を考えておくことが大切です。

近年は企業のストレスチェックが義務化され、国をあげてのストレス対策が行われるようになりました。ストレス対策の基本的な考え方は、自分がストレス状態にあることを知ることとストレスに適切に対処することにあります。ストレスがこころの病気や身体の病気の原因となることを考えれば当然のことですが、一般にストレスに対処することの主眼はストレスを避けることと理解されています。

確かに心の病気の原因となるストレスは避けなければなりませんが、ストレスがすべて有害な悪玉ストレスというわけではありません。私たちを成長させる善玉ストレスも存在するのです。善玉ストレスを避けてしまうと私たちの心は成長しなくなります。自分にとって不快なことはストレスとして脳で認識されますが、時にはいやなことをすることが利己的な心を排し、私たちのこころを成長させるのです。

社会全体としてストレスを避けることに熱心になりましたが、善玉ストレスまで避けてしまう恐れがあります。悪玉ストレスを避け、善玉ストレスは受け入れるのが正しいストレスとの付き合い方です。自分にとって善玉ストレスは何か?何が悪玉ストレスなのか?診察の時に主治医に聞いてみて下さい。悪玉ストレスを避け、善玉ストレスは自らを成長させるものとして受け入れ、こころの中で消化していくことが大切だと思います。

院長  高橋道宏

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