こころの傷を乗り越える

2016年6月27日 月曜日

目に見えませんが、こころは身体と同様に傷つきます。こころが傷つくと、イライラ、不安、眠れないなどの精神的苦痛がみられるようになります。過去のこころの傷がうつ病、不安障害、摂食障害などのきっかけになることが少なくありません。特に深刻なのは、地震、暴力、犯罪被害などひどくショックな体験により引き起こされるPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)と呼ばれるものです。

PTSDでは、突然過去の怖い体験を思い出します。恐怖に襲われ、不安、緊張、めまい、頭痛、不眠などの症状が続きます。恐怖に襲われている時は、過去の怖い体験が過去のこととしてではなく、現実に起きていることのように誤認されています。PTSD程深刻でなくても、こころに傷を負うと、過去のいやな体験が今も起きているように感じられ、現在の生活にマイナスの影響を与え続けます。

こころの傷は、その苦痛が大きく、影響が長く続くため、もう一生この状態は変わらないと思い込んでしまいます。しかし、それは事実ではありません。多くの研究では、PTSDのような深刻な心の傷でも時間とともに回復していくことを示しています。また、私の患者さん達も同じように回復しています。人のこころは時間とともに癒しに向かう性質があるのです。身体の場合と同様です。

忌わしい過去は過去の体験であることをしっかりと認識し安心しましょう。そして、現在から将来へと未来志向になることこそが問題解決の第一歩です。過去のこころの傷が治らないという考えは間違った思い込みです。過去のこころの傷は乗り越えることができると信じましょう。そのように自らの回復を信じることが治療の原点なのです。

院長 高橋道宏

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