うつ病を回復に導く心構え

2016年8月8日  月曜日

うつ病になると気分が重苦しくなります。身体もだるく、着替え、入浴、歯磨きなどの簡単な日常生活の動作がおっくうになります。とても疲れやすく、何をやっても集中できず、本や新聞を読んでも頭に入らず、テレビドラマを見てもあらすじを理解するのが難しくなります。うつ病の時は、心と身体のエネルギーが乏しい状態、枯渇している状態と言うことができます。

こころの病気は、元々の性格が影響していることが少なくありません。うつ病になる方は元々几帳面です。人一倍責任感が強く、勤勉な方が多いです。普段から仕事や勉強、家事や育児などをきちんとやりたいという気持ちをとても強く持っています。しかし、うつ病になると心身のエネルギーが乏しいために、思い通りに行動できない。その結果、現実とのギャップにイライラし、落胆しまうのです。

イライラすると、それがきっかけで不安、不眠になり、少しずつうつ病が悪化します。せっかくうつ病が回復してきたにもかかわらず、イライラが原因で悪化してしまうのです。うつ病は休養と治療により回復していく病気です。その意味では、治らないうつ病はないと言っても過言ではありません。治りにくくなる原因の一つのは、心の葛藤から来るイライラです。

うつ病の時には、心身のエネルギーが足りないにもかかわらず、元々強い責任が普段以上に強くなり、追い詰められます。うつ病の時には、心身のエネルギーが足りないこと、休養と治療により心身のエネルギーは必ず回復にすることを理解しましょう。過度にイライラせず、休養と治療により心身のエネルギーが戻るのを待ちましょう。このような心構えがうつ病を回復に導くのです。このような心構えがあれば、うつ病は怖くありません。

院長  高橋  道宏

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