いじめと心の病気

2016年10月24日 月曜日

心の病気はストレスにより起きるものが多くありますが、特に人間関係のストレスによるものでは、いじめが絡んでいるものが少なくありません。いじめが原因で学校に行けなくなること(不登校)は一般に広く知られています。また、職場の上司によるいじめ(パワハラ)も深刻な問題です。いじめは心の病気の直接的原因になることがあり、いじめによるストレスが深刻な場合は自殺に至る場合もあります。

いじめが心の病気の間接的原因となる場合もあります。過去のいじめが原因で人間不信に陥り、自分に自信が持てなくなる方が多くおられます。自分に自信がなくなったため、他人の言葉に過剰反応してしまい、人とのコミュニケーションに支障をきたすようになります。対人コミュニケーションに支障をきたし、仕事や学校生活が上手くいかなくなり、将来心の病気が発生するリスクが高まります。

いじめがあった場合は、できるだけ早く信頼できる人に打ち明け、理解してもらうことが役立ちます。一人で悩んでいるとより孤独になっていきます。孤独な生活の中でマイナス思考に陥り、いじめられる自分が悪いと誤解し、自虐的になってしまいます。自虐的になると益々マイナス思考が深まる悪循環に陥ります。決していじめられる方が悪いわけではありません。いじめで傷ついた方の心が癒される必要があるのです。

誰でも不当ないじめを受ける可能性があります。いじめは孤独をもたらし、孤独はマイナス思考をつくりだし、マイナス思考は心の病気に至ります。ですから、いじめられた人が孤独になったり置き去りにされないようにお互いに助け合う必要があります。いじめは心の病気や自殺の直接的、間接的な原因になります。いじめがなくなるよう、社会全体で取り組む必要があります。

院長 高橋道宏

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