うつ病が良くなってきた時の過ごし方

2016年10月17日 月曜日

うつ病は治療期間が長期に及ぶものが少なからずあり、職場復帰などにも時間がかかるため、「うつ病は治りにくい」と感じる方がおられます。治療期間が長びくと職場や家族の理解が得られにくくなり、良くなりかけていたのに悪化してしまうこともあります。例えば、少し回復し元気そうに見えても、まだ仕事や家事ができないことがあります。元気そうに見えても、まだ活動するとすぐに疲れやすい状態なのですが、周囲の人には理解されにくいのです。

ほとんどのうつ病は時間の経過とともに良くなっていきます。一見治りにくいうつ病でも、症状が全く良くならないものはかなり稀です。治りにくいと感じるうつ病の多くは、ある程度症状が良くなるものの部分的にしか回復せず、まだ回復が不十分なうちに再び悪化する。このような回復と悪化を繰り返し、いつまで経っても健康な時の状態に回復しないため、治りにくいと感じるのです。

治りにくく見えるうつ病でも、症状が良くなって来る時が必ずあります。そこから症状を悪化させないために、症状が良くなってきた時の過ごし方がとても大切です。うつ病が良くなってくると、うつのドン底から気分が回復し、動けるようになってきます。うれしくなり、急に活動的になるのですが、疲れやすい身体は急激な活動についていけません。無理な動きをし、身体が疲弊し、再びうつ状態に戻ってしまいます。

うつ病が良くなって来た時は、体調に合わせた無理のない活動を心がけて下さい。焦りは禁物です。健康だった時の活動に少しずつ戻していくのです。家事をする時は、少しずつ休みながらしましょう。復職する場合は、段階的な復職が望ましいです。うつ病の治療では、お薬だけでなく、どのように日常生活を送るかがとても大切です。主治医と相談しながら、無理のない毎日を過ごし、着実に回復していきましょう。

院長 高橋道宏

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