うつ病の時の過ごし方

2016年10月31日 月曜日

うつ病は休養と治療で良くなっていきますが、少し回復してもまた悪化し、病前の状態まで回復しないケースもあります。少し症状が回復しただけで無理をしてしまうため、往々にこの無理な行動が今ある気力や体力の限界を越え、再びうつ病が悪化してしまうのです。うつ病になる方は元来まじめで勤勉な方が多く、少し回復すると無理をする方が少なくありません。

うつ病の時は精神的、また身体的にエネルギーが足りていません。これは様々なストレスにより脳内のセロトニン神経の働きが低下してするためと考えられています。ですから、うつ病になったばかりの時は、無理をせず気力と体力の回復を待つことが原則となります。いくら治療を続けても、気力や体力の限界を越えて無理をし続ける限りうつ病は良くなりにくいのです。

一方、回復して来たものの、なかなか職場復帰などが進まないケースもあります。回復期ではうつ気分はあまり目立ちませんが、身体は怠く、すぐ疲れてしまいます。行動を始めにくいのです。回復期では、多少おっくうでも動くようにしましょう。少しおっくうでも、動き始めると意外と調子が出て来るものです。動くかどうか迷った時はまず動いてみましょう。

まだうつ気分が強いうちはあまり無理をしないで休養するようにしましょう。ある程度症状が回復して来たらリハビリ的に動くようにしましょう。うつ病の治療では、このように症状と回復段階に応じた行動が大切です。治療の進み具合に合わせ、うつ病になられた方がどのように行動するかで、回復のスピードと治療結果が変わっていきます。

院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP