うつ病を治すための三原則

2016年1月30日 月曜日

「うつ病を治すためには、どんなことに注意して生活したら良いですか?」という質問をよくいただきます。うつ病の治療は「休養とお薬」が基本ですが、どのような気持ちで生活するか?も大切です。うつ病は心の持ち方が治療に影響を与えます。単純に薬だけを飲んでいれば自動的に治るとは限りません。どんなことに注意し生活したら良いか?を理解し、それに従い日々を過ごす必要があります。

うつ病ではマイナス思考がみられます。これはうつ病でみられる思考障害の一つで、物事を極端に悪い方に捉えてしまう症状です。代表的なものは自己卑下です。自分に自信がなくなり、自分は価値のない存在だと感じてしまうのです。うつ病では「自分を価値あるものと思う」という人間の最もコアな部分が病んでしまい、健全な自己像を持つことが難しくなります。

自己卑下の結果、自分をひどく無価値なものに錯覚します。これは単に錯覚に過ぎないのですが、自分では錯覚とは感じません。自分を無価値だと信じ、自分を責め、追いつめるようになります。心の中で自己を攻撃してしまうのです。自分を責めたり、追いつめたりすると、うつで病む自分を傷つけます。そのことが更にうつを悪化させ、病気を治りにくくしてしまいます。

うつ病を治すためには、「焦らない」「自分を追いつめない」「自分を責めない」の三つ原則に注意しましょう。うつ病は休養とお薬で回復する場合が多いですが、治りにくいうつ病では、このようなうつを悪化させるマイナス要因に注意しましょう。治らないうつ病はさほど多くありません。ほとんどのうつ病は、このような点に注意すると、順調に良くなっていくものです。

院長 高橋道宏

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