双極性障害

2016年3月6日  月曜日

双極性障害はそううつ病という病名で知られている心の病気です。極端に元気で活動的過ぎるそうの時と気分が落ち込んで何もしたくなくなるうつの時がありますから、そううつ病と言った方が病気の症状をイメージしやすいかも知れません。双極性障害という病名は、そうとうつの両極端な状態がみられることから、海外で名付けられました。

双極性障害では、元気でとても活動的なそうの時と気分が重苦しくて何もやる気がしないうつの時があります。そうとうつが交互に現れる人もいますが、多くの患者さんはうつの時の方がそうの時よりも長いのです。患者さんにとっては、うつの時がひどく辛いものに感じられる一方、そうの時は気分がとても爽快で全く苦痛がありません。うつの時のことは後々まで覚えているものの、そうの時のことは後であまり覚えていません。

双極性障害のうつ状態の時は、うつ病のうつ状態と全く変わりません。活動性が落ちて日常生活が進まなくなります。ある程度以上悪くなると仕事や勉強、家事などができなくなります。一方、そう状態の時は気分が爽快で患者さん自身に苦痛はありませんが、自信満々に行動する結果、周囲の人と調和できなくなり、トラブルを起こすこともあります。そう状態はエネルギーを使い過ぎるため長続きせず、反動で深いうつになることもあります。

双極性障害は、気分安定薬というお薬で治療することが柱になります。気分がそうとうつの両極端に振れやすい部分をお薬で補い安定化させるのです。多くの場合病気は順調に良くなりますが、中には治りにくい方もおられます。治りにくい方は、自分に合った気分安定薬に出会えていない可能があり、自分にピッタリ合ったお薬を主治医に見つけてもらうことが必要です。また、うつの時は無理をせず、そうの時はやり過ぎないように自ら行動を律することも大切です。

院長  高橋道宏

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