ADHD(注意欠如多動性障害)の治療について

2017年3月13日 月曜日

ADHD(注意欠如多動性障害)は、最近では発達障害の中で最も身近な病気になりました。ネットなどに情報が多く、自分もADHDではないか?と疑い医療機関を訪れる方が多くなりました。これは発達障害の中で唯一ADHDだけに有効な治療薬が存在することと無縁ではないでしょう。他の発達障害には根本的な症状に対する治療薬が存在しないのですが、ADHDには有効な治療薬が存在するのです。

ADHDには不注意と多動性・衝動性の2種類の症状があります。不注意症状は、集中力のなさによる症状です。集中力が乏しいから人の話をきちんと聞けず、ケアレスミスが多発します。やるべきことが頭の中で整理できず、優先順位がつけられません。一方、多動性・衝動性の症状は落ち着きのなさによる症状です。落ち着きがなく、じっとしているのが苦痛でソワソワしてしまいます。

ADHDでは脳の前頭葉にあるドパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質(情報を伝える化学物質)の働きがうまくいっていないことがわかっています。そうした神経伝達物質の働きを正常化するために、お薬はとても有効な手段です。日本ではADHDの治療薬が2種類ありますが、どちらのお薬もこれら神経伝達の働きを正常化させることでADHDの症状を改善してくれます。

どちらの薬が良いかは単純に言えませんが、自分に合ったお薬に出会うことができれば、治療の流れは大きく変わっていきます。ですから、まだ1種類しかお薬を服用したことがなく、満足いく治療結果が得られていない方は、もう1種類別のお薬による治療を受けてみることをお勧めします。お薬が効いてくれば、主治医の生活指導と自己努力により症状を乗り越えやすくなります。

院長 高橋道宏

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