うつ病の不眠との付き合い方

2017年3月20日 月曜日

うつ病になると気分が落ち込む、意欲がなくなる、マイナス思考な物の考え方になる、などの症状がみられます。一方、かなり多くの方が眠れないと訴えます。私の診察室では、初診時に9割以上の方が眠れないと訴えます。うつ病になると食欲が少なくなる方が多くおられますが、不眠の方は食欲不振の方よりもずっと多くおられます。

国際的な統計によると。うつ病は再発することが50%以上ある病気です。不眠はうつ病再発のサインであることが多く、眠れなくなってきたら日常生活に気をつけなくてはなりません。また、何回も目覚めるようになったら要注意です。中途覚醒の回数が多い程、うつ病の再発再発の可能性が高いのです。このように不眠とどう付き合うかは、うつ病治療の根幹にも関わる大切な問題なのです。

うつ病の不眠では、寝つきが悪い、睡眠の途中で目が覚めその後眠りにくくなる、朝早く目覚めてしまう、など不眠のすべてのパターンがみられます。特に朝早く目覚めるのは、うつ病に特徴的な症状です。不眠はうつ病が良くなると自然に良くなります。不眠が続くと、それがストレスとなりうつ病が治りにくくなります。一時的に睡眠を改善するために睡眠薬を服用することはうつ病治療に役立ちます。

うつが改善し、1日5-6時間無理なく眠れるようになってきたら、睡眠薬は不要かも知れません。また、これまで睡眠薬でちょうど良く眠れていたのに、朝起きた時に睡眠薬が少し残るように感じることがあります。それはうつが良くなり睡眠薬がいらなくなってきたサインです。主治医と相談して睡眠薬を調整してもらうと良いでしょう。不眠とうまく付き合いながら、うつ病を治していきましょう。

院長 高橋道宏

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