うつ病の焦りとは?

2024年4月22日(月)

うつ病は、気分の落ち込み、意欲の低下、興味のあることにも関心がなくなり無味乾燥な生活になるなどの症状がみられますが、もう一つよく見られる症状があります。

それは焦りです。焦りは、不安や無力感から生じるものであり、うつ病でしばしばみられる症状の一つです。

うつ病からの回復には時間がかかります。いつになったら仕事に戻れるのか?うつ病は治らないのではないか?など、うつ病の回復に時間がかかることから不安になり、焦るようになるのです。

また、うつ病になると思い通りに行動できません。仕事に行きたくても行けない。家事が進まない。入浴さえがおっくうになります。

このように、日常生活が思い通りにいかない無力感から焦るようになります。

焦りは、うつ病の治療を難しくます。うつ病の治療には休養が大切です。焦りが強いと、落ち着いて休養できません。

焦りにより不安が強くなると、思考が空回りし、うつ状態を悪化させる悪循環に陥ります。

うつ病の治療にはある程度の時間が必要です。うつ病になる背景として、長い間のストレスの蓄積があります。ですから、治療に時間がかかるのは当然のことです。

また、うつ病の症状や重症度は人によって異なり、治療に必要な時間には個人差があります。一人一人回復にかかる時間は異なります。自分に必要な回復のための時間を確保するようにしましょう。

焦りはうつ病の症状の回復を遅らせ、治療の妨げになります。急がば回れです。焦らず落ち着いて治療を続けましょう。

焦らず治療を継続すれば、必ず回復します。うつ病は必ず良くなるこころの病気であることを忘れないようにしましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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