2017年5月29日 月曜日
あなたは毎日どの位眠っていますか?1日5時間位の方がいるでしょうし、9時間から10時間の方がいるかも知れません。厚生労働省の「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」では、平均睡眠時間は男女とも「6時間以上7時間未満」の人が最も多いとされています。ちょうど良い睡眠時間は人によりそれぞれ異なりますが、良く眠れる人は健康な人が多いと思います。
心の病気になると睡眠が大きく影響を受けます。うつ病、双極性障害、あるいは不安障害などで共通して睡眠の時間と質の悪化が高い割合でみられます。心の病気になると、睡眠時間が短くなることが多いですが、過眠となることもあります。また、心の病気が再発する時は、初めは睡眠が影響を受けることが多いです。ですから、睡眠は心の健康のバロメーターと言っても良いでしょう。
睡眠は心の健康の土台とも言えるものです。健康な睡眠は、免疫力を高め、身体の病気の予防にも役立つと考えられています。先に書いた通り、ちょうど良い睡眠時間は人により異なりますが、健康的に眠れる人は朝起きた時に気持ち良く目覚め、前日の疲れがすっかり取れています。このような健康的な睡眠を自然にとる力、別の言葉で言うなら「睡眠力」を上げることは心の病気の予防に役立ちます。
「睡眠力」を上げるためには、規則正しい日常生活と適度な運動が必要です。また、睡眠ホルモンであるメラトニンを脳内で分泌させるために、程度に日光に当たるようにしましょう。また、連日のアルコール摂取は控えましょう。アルコールは寝つきを助けてくれますが、睡眠の途中で何回も目覚める、睡眠が浅くなるなど睡眠の質の低下をもたらします。「睡眠力」を上げ、心の病気を予防しましょう。
院長 高橋道宏