すぐには解決できないストレスと向き合う

2016年6月19日 月曜日

心の病気はストレスが引き金になることが多く、治療をしても病気の原因となるストレスは続いていることが少なくありません。治療は病気を改善する方向に働きますが、ストレスは逆に悪化させる方向に働きます。治療とストレス双方の力が綱引きする中、治療のプラスの力がストレスのマイナスの力を上回ると病気は良くなる方向に向かっていきます。

ですから、お薬を飲む、カウンセリングを受けるなどの治療を受けるだけでなく、病気の原因となるストレスとどう付き合っていくかが治療の成否を分けます。治療を始めると病気は良くなっていきますが、途中からは一進一退。なかなか良くならないことも多くあります。このような場合、まだ病気の引き金になったストレスの力が強くマイナスに作用して、回復を妨げているのです。

多くのストレスは、主治医のアドバイスに従い治療をする中で、そのマイナス面が徐々に薄れていきます。しかし、中にはすぐに解決できそうもないストレスもあります。例えば職場や家庭の人間関係によるストレスです。人間関係は相手があり、自己努力だけでは解決が難しいことが多いです。このようなストレスに長いことさらされると、治療をしても一進一退になってしまいます。

このようなストレスと向き合うには、解決のタイミングを待つことが最良だと思います。時が来れば解決するものは少なくありません。これまで診察してきた多くの患者さん達がそうでした。とても解決が難しくみえたことが、時期が来て解決するのを多くみてきました。治療を受けつつ、最良のタイミングを待つことが大切です。必ず解決すると信じて希望を失わないようにしましょう。

院長 高橋道宏

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