確実にうつ病を治すためには?

2017年8月21日 月曜日

うつ病はうつ病エピソードとも言われ、それまで健康であったところに、一時的にうつ状態がエピソードのように起こります。エピソードとは「一時的に割り込んできたもの」を意味する言葉です。エピソードですから、うつ病は必ず回復する時がやってきます。しかし、この回復期をどう過ごすかで、完全な回復が訪れるかどうかが決まります。回復期の過ごし方はうつ病治療の中で最も大切な部分なのです。

うつ病の回復期は、暗いうつのトンネルの中にやっと明るい光が差してきた感じで、とてもうれしく、明るい気持ちになります。うつの時にできなかった仕事やたまっていた家事などを一気に片付けてしまいたくなります。うつ病になる方はもともと意欲的で責任感が強いので、すぐに行動を拡大してしまいがちです。しかし、急に身体を動かすと調子を崩し、回復の落とし穴になりかねません。

というのは、回復期はちょっと無理をしただけで、すぐに身体が疲れてしまうからです。うつは良くなっても、身体はまだ疲れやすいのです。ちょっと無理をして、身体がひどく疲れると、また身体が動きにくくなっていきます。そのうちに治ったはずのうつがまた出てきてしまいます。「良くなる→無理をする→身体が疲れる→またうつになる」の繰り返しでは、いつまで経っても病気から解放されません。

このような悪循環を繰り返すと、うつ病がだんだん慢性化していきます。うつ病の回復期にはあまり無理をしないようにしましょう。無理をするのではなく、今の気力と体力の上限を超えない範囲で少しだけ背伸びをする程度にしておきましょう。無理をしないで生活していれば、徐々に身体の疲れやすさはなくなっていきます。焦らず、無理をせず、確実にうつ病を治していきましょう。

院長 高橋道宏

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