うつ病の休職と復職のタイミングは?

2017年9月4日 月曜日

(1) うつ病では休養、休職することが治療上大切である。

うつ病になると、病気の原因であるストレスから離れ休養するように勧められます。休養するとは、自然体でリラックスして、その人らしく過ごすということです。無理に無理を重ねても出勤することができない場合、たとえ出勤しても仕事が滞ってしまう場合は休職した方が良いでしょう。仕事がこなせない状態で無理をすると、心身へのダメージがより強くなり、うつ病が治りにくくなってしまうからです。

(2) 気分が良くなってくると休職を続けることが不安になってくる。

休職して休んでいると、1-2ヶ月もすれば気分が徐々に良くなってきます。気力が回復してきます。すると、「こんなに休んでいても良いのだろうか?」と心配になります。当初は主治医から休養するように勧められ、それも当然と考えて休んでいたのですが、気分が良くなってくると「休み過ぎではないか?」「本当は出勤できるのに怠けているのではないか?」と心配になってきます。

(3) 回復期の症状はまだ不安定であり、回復力が弱い。

このような気持ちはうつ病の回復期に良くみられます。気分の良い日は働けるような気がして、もう働けるのにダラダラ休み続けているような気分になります。これはうつ病になる方が働くことで自己の存在感や価値を見出すことが多く、休むことが苦手であることと無縁ではないでしょう。この時期はまだ回復力が十分ではありません。気分と体調には波があり、良い日もあれば悪い日もあります。まだ症状は不安定で回復力は弱いのです。

(4) 焦らずに真の回復を待つ

うつ病の時は、病気で働きたくても働けないのです。働けるのに怠けているわけではありません。回復してくると、この辺りの理解が曖昧になることがあります。このような時に、もう一度病気で働けないという事実を冷静に認識しましょう。怠けているわけではないことを確認しましょう。主治医のアドバイスを受け、安定して働くことができるようになるまで、焦らずに真の回復を待ちましょう。

院長 高橋 道宏

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