うつ病は本当に治る病気なのでしょうか?

2017年10月16日 月曜日

1 うつ病は本当に治る病気なのでしょうか?

厚生労働省によると、うつ病は15人に1人程度がかかると報告されている病気です。職場、学校、家庭、友人など、私たちの身近なところでうつ病にかかった方を見かけることは少なくありません。うつ病は治る病気だと言われていますが、身の回りを見ると治療が長引いて、何年も病気と向き合っている方もおられます。うつ病は本当に治る病気なのでしょうか?

2 うつ病は治そうとすると治りにくくなる

うつ病になると、普段通りの生活ができなくなってしまいます。仕事をしている方でしたら、仕事が全くできず、休職に至ることもあります。ですから、病気を早く治そうと焦ります。病気を早く治すために頑張ると言うものの、思い通りにならず、自責の念にかられる患者さんが多くおられます。焦ること、頑張ることでは、うつ病は治るどころか、かえって治りにくいものになってしまいます。

3 うつ病は治すのではなく、治っていく病気である。

誰にでもうつ病を治す回復力があります。規則正しい日常生活、運動、休養などが適切に行われていれば、ほとんどのうつ病は回復に向かいます。うつ病に深い関係がある脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンを増やすお薬の服用は、この回復をさらに後押しします。うつ病は治すというよりも、自己治癒力により治っていく病気です。

4 治りにくいうつ病は、回復を妨げる要素を取り除くと良くなっていく。

治りにくいうつ病は、こうした回復を妨げる様々な要素があるために治りにくくなっています。たとえば、不規則な生活です。夜は寝るのがとても遅く、朝はなかなか起きてこない。昼夜逆転の生活。このような生活では治る病気も治らなくなります。まず、健康な生活を送るようにするべきです。健康な生活をすれば、心身ともに自ずと健康になるのです。

回復を妨げる様々な要素を取り除き、うつ病を乗り越えましょう。

院長 高橋道宏

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