ADHDの症状を乗り越えるための行動のあり方

2017年10月23日 月曜日

注意欠如多動性障害(ADHD)は広く一般に知られるようになり、自らADHDを疑い医療機関を訪れる方が多くなりました。この背景として、8年前に日本で初めてADHDの治療薬が承認されたことの大きな影響があります。その後も新たに2つの治療薬が承認され、患者さんの個々の状況に応じたお薬が選択できるようになってきました。現在も開発中のお薬が複数あり、今後更にお薬による治療がしやすくなると思います。

ADHD治療薬の効果はかなりあり、集中力が長続きするようになる、うっかりミスが少なくなるなどの治療効果があります。大きな問題となる副作用がほとんどないことから、治療を受けた多くの方は満足されています。もっと早く治療を受ければ良かったという声を多く聞きます。一方、薬を飲んでいても完全に症状が治らない場合もあり、お薬以外に何かできることはないのか?という質問も多くあります。

ADHDの治療では、お薬の治療と同時に、生活環境や日常生活における行動の工夫がとても大切です。自分の症状を振り返り、「どのように生活を工夫したら症状を乗り越えることができるのか?」を考えてみましょう。そして、その振り返りに基づき、具体的な行動を起こすのです。たとえば、不注意でミスが多い場合、ミスが起きる原因は何か?どうしたらミスが防げるのかを考え、実際に実践してみるのです。

実践してうまくいけば、その方法を継続して続けましょう。もしうまくいかなければ、「なぜうまくいかないのか?」を考え、実践の方法を修正していくのです。このような試行錯誤の繰り返しで、自分に合ったADHD症状改善のための行動がわかってきます。お薬の治療に加え、このような方法を組み合わせることで、更に治験効果を上げることができるのです。あなたも主治医と相談しながら実践してみてはいかがでしょうか?

院長 高橋道宏

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