改めて不登校について考える

2017年10月30日 月曜日

子供が学校に行かなくなると、親はとても焦りを覚えます。原因がはっきりしている場合は対処しやすいですが、理由がわかりにくいものも少なくありません。私の経験でも、いじめなどの問題によるもの、うつ病、不安障害など心の病気によるもの、生育の過程で集団生活に適応しにくくなっているものなど、不登校には様々な理由があります。

子供の不登校が長引くと、親は焦り、次第に感情的になっていきます。親が感情的になればなる程、家庭の雰囲気は暗くなり、益々問題の解決が遠のきます。多くの不登校の子供達に共通しているのは、暖かい家庭の雰囲気の中で癒される必要があるということです。原因は様々ですが、不登校になった子供達は心身ともに疲弊しているからです。

ですから、不登校への対処はまず親が感情的にならないことから始まります。イライラしたり、不安になる親の感情をそのまま子供にぶつけないこと、両親の尺度を一方的に押し付けないこと、そして何よりも子供を責めないことが大切です。心の医療では、人を責めることで解決できる問題はほとんどありません。かえって事態が悪化するのです。

しかし、親も人間です。精神力には限界があります。家庭という距離が一番近い人間関係の中で、冷静さを保つことはとても難しいと言えます。ですから、問題の解決のためには、学校の先生、スクールカウンセラー、精神科医などの専門家に相談し、アドバイスを受けることが大切です。心の負担を減らし、冷静に対処することを助けてくれます。

院長 高橋道宏

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