ADHDと時間管理

2018年4月23日 月曜日

注意欠如多動性障害(ADHD)は物事に集中できない、不注意なミスが多発する、人の言うことをうわの空で聞いてしまいやすいなどの特徴があります。このような特徴は不注意症状と言われています。

また、落ち着きがなくそわそわする、カットしてしまいやすいなどの多動性・衝動性の症状もみられます。最近ではこのようなADHDの特徴が社会の中で広く知られるようになってきました。

ADHDのある人は時間感覚が鈍いという特徴があります。時間通りに行動できない、約束の時間に遅れてしまう、締め切りを守れないなどです。例えば、学校にはかろうじて遅刻しないで行くことができますが、いつもギリギリになってしまいます。

習い事では必ずといっていい程少し遅れて行きます。友達との待ち合わせにも遅れがちです。ADHDのある人は、行動する時に自分が思うよりも長い時間がかかるため、予定の時間に遅れてしまうのです。

時間感覚が鈍いことは不注意症状に分類されます。なぜ不注意症状かというと、時間というものに対して注意を払えないからです。何かをしようとしていても、自分が気になることがあればそちらに注意が向いてしまいます。するとやらなければいけないことが遅れがちになるのです。

言い換えると、自分の時間軸に注意が向いていて、世の中の時間軸に注意が払えないのです。ですから、この不注意症状は自分の殻に閉じこもっている状態と似ています。

ADHDは自閉症などと同じように発達障害に分類されますが、自分の殻に閉じこもり社会の流れに合わせられないのは、両者に共通しています。このためADHDでは、学校、職場など集団の中で浮いてしまい、不適応を引き起こすことが多いのです。

治療としては、服薬により不注意によるミスを防ぐだけでなく、社会の中の動きに目を向け、自分を社会の動きに合わせていくことができるようにトレーニングすることが必要になります。

院長 高橋道宏

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