うつ病の治療で大切な2つのこと

2018年6月4日  月曜日

うつ病の治療は、休養と薬を服用することが中心になります。日本うつ病学会は、うつ病の治療ガイドラインを作成していいますが、これは国際的なデータに日本の医療の実情を加味して作成された貴重なものです。

精神科の病気の中では治療ガイドラインがまだ作成されていないものが数多くありますから、うつ病の治療は既にその方法論が確立されてたと言っても良いでしょう。

うつ病はストレスが引き金になるものが多く、うつ病の患者さんはストレスにより心身ともに疲弊しています。ですから、休養しストレスから離れることは治療上欠くことができないものです。

また、うつ病の治療では、ストレスによりその働きが低下するセロトニンなどの神経伝達物質を増やす抗うつ薬が有効であることが知られています。つまり、抗うつ薬はストレスにより脳内に起きる反応を元に戻すように働くのです。

休養と薬の服用は一見直接の関係がないようにも見えますが、実際には深くつながっています。

休養は、まずストレスから離れることから始まります。ストレスをかけてばかりでは、いくら薬を飲んでもうつ病は良くなりません。いくらお薬を飲んでいても、ストレスから離れなければ薬の効果はなかなか現れないのです。

このように休養と薬の服用は深いつながりがあります。いわば休養は薬が効くための前提条件のようなものです。ですから、上手に休養できれば薬はより効きやすくなるということです。

うつ病の治療は複雑に感じるかも知れませんが、意外とシンプルです。このようなうつ病治療の基本を理解し、適切な休養と継続的な薬の服用でうつ病の治療を進めていきましょう。また、休養と薬の服用では絶えず主治医のアドバイスを受けるようにしましょう。

 

院長  高橋道宏

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