うつ病と自殺

2018年9月17日  月曜日

うつ病になると、気分が落ち込む、意欲がなくなる、体がだるくなる、疲れやすい、眠れないなどで、日常生活がこれまで通り送れなくなります。

会社員の休職、子供の不登校、急激な成績低下などはうつ病が原因のことが少なくありません。うつ病になると、やる気があっても、病気により行動に抑制がかかってしまい、自分の能力が発揮されにくくなります。

このようにうつ病は私達の日常生活の生産性を大きく低下させますが、もう一つ気をつけておかなければならないことがあります。それは自殺です。

実際に自殺を試みる患者さんはあまり多くありませんが、死んでしまいたいと心の中で少しでも考えたことがある患者さんは少なくありません。人間には誰でも生きることへの欲求がありますが、その欲求がなくなります。その意味では、心の中に異常な状態が発生しているということになります。

うつ病の自殺は、心が追い詰められて起こります。これまでのように自分が思ったように行動できない、このような自分を見せつけられ、とても落ち込みます。

うつ病の方は、思い通りにならない自分に甘んじているわけではありません。むしろ行動できない自分が歯がゆい、何とかこれまでと同じ様に行動したいという気持ちがとても強いのです。また、責任感がとても強く、自分は周囲に迷惑をかけているのではないかと過度に悩みます。

心が追い込まれないためには、思ったように行動できないのは、自分のせいではなく、病気のせいだということを理解する必要があります。決して自分が悪いのではないのです。

病気が長引くと、ご本人も周囲の方もうまく行動できないのは本人の性格、資質ではないかと疑い、錯覚することが少なくありません。主治医とのやり取りの中で、病気のせいでうまく行動できないのだと言うことを繰り返し理解していくことが必要です。

このような理解を積み重ねていくことが、うつ病による自殺を予防することにつながるのです。

院長  高橋道宏

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