2019年2月11日 月曜日
うつ病になってしまったら、もう治らないのではないか?と心配する声を多く聞きます。うつ病は不治の病なのでしょうか?職場の同僚、友人、家族など身の回りで長期に治療されている方をみると、うつ病は治らない病気にみえてしまいます。
確かに長期に治療されている方がおられますが、一度で完治する方もおられます。一度で完治する方はどのような特徴があるのでしょうか?その特徴をみていくと、どうしたら一度で完治できるのかがわかってきます。
うつ病は治すというよりは、自然に治っていく病気です。誰でもうつ病から回復する力があります。うつ病を治療するためには、この回復力を最大限に引き出すことが大切です。ですから、病気を治そうとしてあくせくする必要はありません。
うつ病が一度で完治する方は、この回復力をうまく引き出しています。自然に治るのを気長に待っています。焦らず回復を待ち、回復し始めたら、その流れに自然に乗っていきます。
うつ病が治りにくい方は、自然に治っていくのが待てずに、あくせくしてしまいます。あくせくしても空回りして治らない。その結果、ますます焦るようになり、その焦りが回復力を阻害します。回復力が長期に阻害されると、回復力自体が弱くなり、だんだん治らないうつ病になっていきます。
うつ病の治療では、誰にでもある回復力を阻害しないことが大切です。また、うつ病の原因となったストレスから離れること、規則正しい生活をすることも大切です。ストレスと不規則な生活はうつ病の回復を阻害するからです。
うつ病は治らない病気だと誤解されることがありますが、そのようなことはありません。ストレスを避け、規則正しい生活を続けながら焦らずに治療していけば、必ず活路は開けます。
特に焦りは多くの方にみられますので、注意が必要です。うつ病になる方は元来順調に物事が進まないことをストレスに感じる、順調欲求が強い方が多いからです。
うつ病は不治の病ではありません。適切な治療と療養態度で必ずうつ病が治る日が来ることを信じ、主治医と共に頑張っていきましょう。
院長 高橋道宏