2019年5月6日 月曜日
ADHD(注意欠如多動性障害)の不注意、多動性、衝動性などの症状は、お薬を服用することで確実に改善していきます。その効果は、うつ病の治療で使われる抗うつ薬よりも安定しているというデータもある位です。
残念ながら、他の発達障害では真に効果のある治療薬はまだありませんが、ADHD ではとても有効な治療薬が複数ありますから、これを治療に役立てることで症状を改善することができます
このようにADHDの治療ではお薬の効果が大きいのですが、「片付けられない」「段取りが悪い」「時間が守れない」などの行動上の問題点は、お薬を飲むだけではなかなか解決しません。お薬を飲んで、集中力が改善し、ミスが少なくなっても、このような行動上の問題点はなかなか改善しないのです。
「片付けられない」「段取りが悪い」「時間が守れない」などの行動上の問題点は、もう変わらないのではないか?障害だから仕方ないなどと考えるようになります。本当にこのような問題点は改善しないのでしょうか?
お薬だけでは改善しにくい「片付けられない」「段取りが悪い」「時間が守れない」などの問題点は、誰でも改善することができます。どうせ自分はダメなんだと決めつけないようにしましょう。
そのように決めつけると、自分の行動を変えていく、良い意味での成長が難しくなります。集中力のなさ、落ち着きのなさが薬で改善するように、「片付けられない」「段取りが悪い」「時間が守れない」などの問題点も、工夫次第で改善していきます。
ADHD の方お一人お一人には、自分の行動を改善することができる潜在能力があります。お薬はその潜在能力を引き出すのを助けてくれます。希望を持って日々工夫することが大切です。行動改善のヒントは、これまでADHDの方がどのような工夫をして成功したのか?にあります。
当事者によって書かれた下記の2冊を参考にしてはいかがでしょうか?
・ASDでADHDの私の時間術。思い付きで行動して気がつくと約束の時間が過ぎている?(→詳しくはこちらをクリック)
・発達障害の当事者が伝授する誰でも使える整理整頓のコツ!(→詳しくはこちらをクリック)
院長 高橋道宏