うつ病と睡眠障害

2019年6月3日 月曜日

うつ病になると、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」など睡眠に関する悩みが多くなります。不眠は実にうつ病の9割以上に見られる症状です。不眠が続くと、うつ病が悪化してしまうこともわかっています。

うつ病のなり始めに、まず不眠があったという方が多くおられます。不眠はうつ病の初発症状として頻繁に見られる症状なのです。

このように睡眠障害はうつ病と深い関係があり、不眠にどのように対処するかでうつ病治療の成否が変わってくると言っても過言ではありません。

不眠が続くと、うつ病は治りにくくなります。睡眠は毎日の疲れを癒し、明日への活力を回復する役割があります。眠れない状態が長く続くと、疲労は蓄積し、活力が削がれていきます。

その結果、誰にでも備わっているうつ病からの回復力が働かなくなってしまうのです。

近年、睡眠は脳の老廃物排出システムにおいて非常に重要で、慢性的な睡眠不足が脳へ物理的なダメージを与えることが知られています。

睡眠は心の健康のバロメーターです。良質な睡眠が得られるよう日常生活を整えましょう。

睡眠を改善することは、うつ病を克服する上で必要な最初の第一歩です。睡眠が改善しただけで、うつ病気が大幅に改善することが少なくありません。

良い睡眠はうつ病を癒すのです。良い睡眠のためには厚生労働省が作成した「睡眠障害対処12の指針」を参考にして下さい。

睡眠障害対処12の指針を実行しても、睡眠が改善しない場合は、睡眠薬を使用しましょう。

最近では、依存性、副作用のほとんど気にならない睡眠薬が使われています。

うつが改善し、1日5-6時間無理なく眠れるようになったら、睡眠薬は不要です。主治医と相談して睡眠薬をやめると良いでしょう。

うつ病を治すためには不眠とうまく付き合うことが大切です。

院長 高橋道宏

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