2019年8月12日(月)
パニック障害では、突然、動悸、過呼吸、手足のしびれ、発汗などと強い不安を経験します。これをパニック発作といいます。
身体の病気を疑い、内科や救急外来を受診しても、特に異常はみつかりません。発作がない時は全く普通の状態ですが、パニック発作の時は死んでしまうのではないかと思う程ひどい不安に襲われます。
一度発作を経験すると、また発作が起きるのではないかと心配し、不安に襲われます。これを予期不安といいます。
電車や新幹線、飛行機などで発作が起きたらどうしよう?と考え、乗り物に乗れなくなってしまいます。また、エレベーターなどの閉鎖空間も苦手になります。
パニック発作を予防するためには、SSRIという脳内のセロトニンを増やすお薬が効果的です。
これまで使われてきた抗不安薬は長期間服用するとその効果に慣れてしまい、さらに多くの薬が必要になることがあります。SSRlは長期に服用しても効果が落ちることはなく、量が増える心配がありません。
発作がいつ起きるか予想することは難しく、一度発作が起きると、また発作が起きるのではないか?と不安が強くなります。
パニック発作は繰り返せば繰り返す程、予期不安が強くなり、治りにくくなります。パニック障害は、まずパニック発作を予防することが治療上最も大切なのです。
院長 高橋道宏