うつ病治療の本質とは?

2019年9月9日(月)

うつ病の治療では、お薬による治療と休養が大切だとされています。抗うつ薬は約50年ほど前から使われていますが、これまでに多くの抗うつ薬が開発され、一人一人異なるニーズに対応できるようになってきました。心理的治療では、近年認知行動療法が広く行われるようになり、より的確に患者さんの心に寄り添った治療が可能となってきています。

このような治療をうまく組み合わせていけば、ほとんどのうつ病は回復に向かうといっても過言ではありません。

このような治療の目指すところはただ1つです。それは自己治癒力を引き出すことです。

抗うつ薬で脳内のセロトニン濃度が上昇すれば、より自己治癒力が引き出され、回復しやすくなっていきます。また、認知行動療法によって歪んだ物の考え方が修正されれば、よりストレスを受けにくい心となり、このことも自己治癒力を引き出すことにつながります。

このようにうつ病の治療では、様々な治療法を組み合わせて、自分の中にある自己治癒力を上手に引き出すことが大切です。誰にでも自己治癒力はあります。その自己治癒力を最大限に引き出すのです。

回復の過程では良くなったり悪くなったりします。急に調子が悪くなることもあるでしょう。でも慌てることはありません。良くなったり悪くなったりするのは、回復が始まっていることの証だからです。

調子が悪かった時のことを思い出してみましょう。毎日毎日調子が悪く、良い日は一日もなかったはずです。

回復が始まると、少しずつ調子の良い日が出てきます。でも、良い日だったかと思うと次の日には調子が悪くなります。最初のうちはまだ回復力が弱いのです。

ここで慌ててはいけません。規則正しい生活とストレスを避け、きちんと服薬を続けるといった生活をしていると、だんだん回復力が引き出され、良い日が増えていきます。そして、最後には毎日が良い日になるのです。

このような治り方は誰にでも起こります。ストレスや不摂生など自己治癒力を阻害する要素を避け、自分の中にある自己治癒力を最大限に引き出しましょう。

うつ病の治療は、自己治癒力を引き出していくことが、その本質なのです。

院長  高橋道宏

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