双極性障害はどのような病気か?

2020年2月3日(月)

双極性障害は、これまでそううつ病と呼ばれていました。双極とは、そう状態、うつ状態の二つの極端な状態のことです。双極性障害では、この二つの正反対の状態が現れます。

そう状態では、気分が高揚し(いわゆるハイになった状態)、自信家になります。うつ状態では気分が落ち込み、すっかり自信がなくなります。

そう状態になり自信家になると、自分に押さえがきかなくなり、対人関係でトラブルが起こります。眠りたいと思わなくなり、健康を顧みず夜も寝ないで仕事をします。金銭感覚は楽観的で、浪費がみられますが、自己反省はみられません。

これとは反対に、うつ状態になると何もする気力がなくなります。身体はぐったりとし、仕事や家事がしたくてもできなくなります。何をするのもおっくうで、何もできない自分にすっかり自信をなくします。

そう状態とうつ状態が半々に現れる人もいますが、一番多いのは、ほとんどがうつ状態で、たまに躁状態が現れる方です。

過去に一度でもそう状態があると、これまでのほとんどがうつ状態でも、双極性障害と診断されます。これはとても重要なことです。

一見うつ病に見える場合でも、実は過去にそう状態があり、本当は双極性障害である場合があります。このような方は、 抗うつ薬による治療ではうつ状態が治りにくく、気分安定薬を服用すると良くなっていきます。

抗うつ薬で治りにくいうつ病の中には、本当は双極性障害の場合があります。治りにくいうつ病の方は、過去にそう状態になったことがないか、これまでの経過をもう一度見直してみましょう。

治りにくいうつ病で、過去にそう状態がある場合は、主治医に相談してみて下さい。

院長 高橋道宏

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