2020年8月10日(月)
大人のADHDは、大人になって発病するADHDではありません。ADHDの症状は子供の頃から存在します。症状は成長とともに軽くなっていきます。
約3分の2の方は18歳までに治療が不要となりますが、大人になってからも症状が続く方が大人のADHDです。
ADHDの症状は成長とともに軽くなります。子供と比べ大人のADHD は軽症で、多動性・衝動性の症状が目立たないことが多いです。
ADHDの症状に起因する様々な困難、ストレスから、高い確率でうつ病や不安障害など他のこころの病気を合併します。
ADHDの症状を持つことで自信を失い、将来に対して明るい希望を持ちにくくなります。
大人のADHDの治療は、薬物治療と生活指導(症状をどのように理解し、日常生活生活をどのように送るかを指導)が行われます。
治療薬としては、コンサータ、ストラテラ、インチュニブの3種類の治療薬が認可されています。これら3つの薬は効果も安全性も問題なく、安心して使用できる治療薬です。
3つの薬の効き方には違いもあり、患者さんの生活に合わせて薬を選択します。
どの薬でも服薬した2/3の患者さんで明らかな効果があります。薬が効きにくい場合は別の薬に変えると効果がみられます。
大人のADHDでは仕事上の問題が多く発生します。仕事でケアレスミスをする。上司の指示を忘れてしまう。同時並行で複数の仕事をすることができない。
実社会に出てより多くのことを要求され、初めて自分の症状に気づく方もおられます。大人のADHDの方にとって、社会生活のハードルは高いのです。
大人のADHDでは負の体験の連続で自信を失っている方が少なくありません。大人のADHDは治療により改善するのです。症状の改善を通して自分自身に対する自信を回復しましょう。
院長 高橋道宏