うつ病の方への家族の対応について

2020年9月7日(月)

うつ病になると、気分が追い込むだけでなく、否定的、自虐的な言動を繰り返します。時には家族との間にあった過去のやり取りを思い出し、そのマイナス面ばかりが見えてしまい、不安定になることもあります。このような時、家族はどのように向き合ったら良いのでしょうか?

うつ病の時にみられる否定的な言動は、うつ病による思考障害(マイナス思考)のためです。一見性格のためによるものに見えますが、そうではありません。うつ病になったから、マイナスの言葉が出てくるようになったのです。病気になる前にはこのような言動はなかったはずです。

うつの方が否定的な言動がみられたら、その内容について正しいかどうかという議論をしてはいけません。「そのような気持ちになるのですね。」とその気持ちを理解し、受け容れるようにしましょう。

議論をすると、かえってマイナスな気持ちをどんどん引き出してしまうことにつながりかねません。逆に自分が理解されたと感じれば、心が癒され、マイナスの発言が少なくなっていきます。

このような点に気をつけることが家族の対応として大切です。家族がカウンセラーになってはいけません。家族はあくまで家族の役割に徹するべきです。アドバイス与えようとするのではなく、その言葉を理解し、見守ることが最も大切です。

JR芦屋駅前 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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