うつ病と罪の意識

2020年11月9日(月)

うつ病の時は、「他人に迷惑をかけている」などと考えがちです。仕事、家事などが思うようにできず、周囲の方にサポートを受けていると、このような気持ちになってしまうものです。

このように考える必要は全くありません。うつ病になるなどと予想している人はいません。気がついたら病気になっていたのです。誰も自ら好んで病気になるわけではありません。ですから、迷惑をかけていると考えるより、周囲のサポートに感謝すれば良いのです。

このような自分を責める考え方が行き過ぎると、ことさらに自分を責めるようになり、罪の意識に発展します。過去に自分が何か悪いことをしたから、うつ病になってしまったと考えるようになります。

ところがうつ病が治るとそのような考えはなくなっていきます。自分を責める考え方は、うつ病で自分を責めるマイナス思考が強まったことに原因があります。自分を責めることの行き着くところが罪の意識なのです。

自らを省みることは大切ですが、常に自分を責めるのは行き過ぎです。私たちは多かれ少なかれ皆不完全な存在です。自分を責めるのではなく、失敗から学び前進すれば良いのです。

負の感情で自分を責めるのではなく、自分を大切にするようにしましょう。

芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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