心の病気が完治するということ

2020年11月2日(月)

心の病気が完治するとはどのようなことでしょうか?このような質問をいただくことが時々あります。

長く治療を続けていると、心身の不調にある程度慣れてしまい、軽症であれば日常生活を大きな支障なく送ることができます。

症状による心身の不自由さとも共存できるようになり、今の状態が当たり前のように思えてきます。

また長年心の病気を患っていると、病気になる前に具合の良かった時のことをすっかり忘れてしまい、一体どこまで治ったら完治するのかと考えるようになります。

心の病気で完治すると言うことは、病気の前の状態に戻ると言うことです。

生まれた時から心の病気にかかっているわけではありません。心が成長すると同時に、ある年齢になり心の病気になります。

心の病気になるまでは健康でしたから、その時の状態に戻ることができれば、完治したと言えるのです。

完治するまでは治療を続けましょう。症状が残ってしまうと、些細なストレスで症状に火がついて悪化してしまうからです。

完治したということは、症状がなくなったということです。うつ病ならば、気分の落ち込み、興味がなくなった何となくつまらない気持ちが完全になくなっています。

しかし、体の疲れやすさ、だるさが残っていることがあります。このような残存症状もすべでなくなるまで治療を続けるのです。

残存症状が完全になくなることで、再発のリスクは大幅に減り、薬の減量もしやすくなるのです。

芦屋 心療内科 高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP