薬の副作用を疑った時

2021年2月15日 月曜日

めまい、耳鳴り、ふらつきなどがみられるようになり、薬の副作用ではないか?と気になる。このような疑問を持ったことはありませんか?

抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬等は、通常の使い方をしていれば、深刻な副作用が出ることはありません。ところが、薬局でもらう薬の説明書には、多くの副作用が列挙されています。それを見ていると。あたかもその副作用が自分に起きてしまうのではないかと錯覚してしまう程です。

薬の副作用は、多くの方が使用した膨大なデータを集計したものです。ある薬を数千人、数万人と多くの方が使っていけば、より多くの副作用のデータが収集されます。結果的には、かなりレアなケースを含め、薬の説明書には多くの副作用が列挙されていくことになります。

しかし、患者さんが目にする副作用の説明書には、その副作用がどの程度の確率で起きているのか、すなわち発現率が記載されていません。

薬の説明書には多くの副作用が記載されていますが、その発現率は5%未満であることが多く。その副作用が自分自身に起きる確率は非常に少ないと言えます。

冒頭にあげた、めまい、耳鳴り、ふらつきなどの症状は、むしろうつ病、不安障害などによる自律神経症状である可能性が高いのです。うつ病、不安障害などにより自律神経が乱れると、めまい、耳鳴り、ふらつき、頭痛、動悸など様々な症状が現れます。このような自律神経症状は、薬の副作用と誤解されることが多く、注意が必要です。

これらの症状がみられるとき、薬の副作用なのか、それとも症状なのかで治療の仕方は大きく異なります。

副作用であれば、薬の減量、中止になります。ところが、自律神経症状であるなら、薬の減量、中止は症状をさらに悪化させる可能性があります。

患者さんが副作用を疑ったとき、薬の減量中止といった判断に傾きがちですが、本当に薬の減量、中止が必要かについては慎重な判断が求められます。

心療内科、精神科で使われる薬は効果が出るまでに時間がかかるものが多く、服用を開始した早い段階で薬の副作用だと誤解し中止してしまうと、大切な治療の機会を奪ってしまうことになりかねません。

今起きている症状が、薬の副作用かどうかについては、自己判断せず、ご自身の体調の特徴を熟知している主治医に尋ねてみましょう。

芦屋 心療内科 高橋心療クリニック

院長 高橋道宏

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