うつ病でみられる自律神経症状の特徴

2021年11月29日(月)

うつ病では、頭痛、めまい、ふらつき、動悸、からだがだるいなど多くの身体症状が見られますが、内科などを受診しても特に異常はみつかりません。

では、なぜメンタルな病気のうつ病で身体の症状がみられるのでしょうか?

うつ病の身体症状の多くは、自律神経が乱れることによって起こります。自律神経には、緊張している時にはたらく交感神経、リラックスしてる時にはたらく副交感神経があります。

うつ病になると、リラックスすることが少なく、緊張していることが多くなります。長期間緊張が続くと、リラックスすべき時にリラックスできず、自律神経が乱れてしまうのです。

では、うつ病の自律神経による症状にはどのような特徴があるでしょうか?身体の病気による症状とどのように違うのでしょうか?

うつ病でみられる自律神経症状の多くは一時的なものです。症状がずっと続くことは少なく、短時間で終わります。しかし、またしばらくすると症状が出てきます。症状のスイッチが入ったり切れたりするのです。

また、自律神経は全身にいきわたるため、全身の様々な部位の異常がみられます。多くの場合、自律神経症状は一つだけではありません。一人の方が複数の症状を持っていることが多いのです。

身体的な病気を否定するためには、身体的な診察で体の病気ではないことを確認しなければなりません。しかし、変動し、多くみられる症状の一つ一つのためにいちいち病院に行くことは現実的ではありません。

自律神経症状の特徴をよく理解し、内科などを受診する必要があるのかどうかはあなたの身体の特徴を理解している主治医のアドバイスを受けましょう。

うつ病の自律神経症状であれば、うつ病が良くなれば自然に治ります。焦らず落ち着いて対処をしていただきたいと思います。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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